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ノルウェーのボードー空軍基地に配備されたF16戦闘機=2015年3月5日、ニューヨーク・タイムズ

Ukraine Could Deploy F-16s as Soon as July, but Only a Few

 ジェット機の準備が整い、飛行教官も待機している。ルーマニアの新しい訓練センターは、ウクライナのパイロットにF16戦闘機の操縦を教えるためにつくられた。しかし、問題が生じている。ウクライナのパイロットが、まだ到着していないのだ。昨夏、激しさを増すロシアの攻撃から自国を守るため、このセンターがパイロットを空へ送り出す重要な役割を果たすと宣言されたにもかかわらずだ。

 ルーマニア南東部のフェテスティ空軍基地にあるセンターで、ウクライナ人パイロットたちがいつ訓練を開始するかは、まだ不明だ。北大西洋条約機構(NATO)の同盟国も、同機の訓練のためにここを利用しているが、この遅れから、NATOが大急ぎで進めるF16の供与に立ちはだかってきた混乱と混迷がうかがい知れる。

 ウクライナのパイロットたちの準備が進んでいない、というわけではない。これまでにパイロット12人(1個飛行隊のパイロットの人数より少ない)が、デンマークと英国、米国での10カ月間の訓練をへて、今夏までにF16を実戦で操縦する用意が整う見通しになっている。

 しかし、パイロットたちがウクライナに戻るころまでに納入されるF16は、欧州の同盟諸国が約束した約45機のうち、わずか6機にとどまるだろう。

  • 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」

各国は昨年、ウクライナが強く望んでいた戦闘機の供与を約束しましたが、その納入やパイロットの訓練をめぐって複雑な事情があることがニューヨーク・タイムズの取材でわかりました。ウクライナは、約束された約45機のうち、当初はわずか6機で対応せざるを得ない状況にあるといいます。

 にもかかわらず、待望のF1…

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